橘玲さんの「女と男なぜわかりあえないのか」を読む。
世の中には、女と男がいて、男にとって女は理解できない生き物で、女は男がわかっているようで、つまらない男に騙される。
これは、お互いに相手を理解することができないことによるのだが、
科学的に、この問題に取り組み、公表している書物は少ない。
本書の結論から。
男は「競争する性」
女は「選択する性」で説明できる。
「男は精子をつくるコストがきわめて低く、出会った女性と片っ端からセックスすればよい、それを阻む男を蹴落とし、ひたすら上がっていくことが戦略」
「女は、子供を産み育てるコストがきわめて大きく、誰の子を産み、育てるか慎重に計算しなければならない。」
と、あまりおもしろくない結論に至るのだが、
この本の中で紹介されている、各種の実験結果はとってもおもしろいのだ、
たとえば、「女性の多くが、セックスを迷惑に思っていてウ”アギナが愛液で濡れると回答している。レイプのような状況でも女性器が反応したり、場合によってはオーガズムに達したという報告がある。女性は身体的な興奮と主観的な興奮が一致していない。」
この実験は女性の性的欲望を研究する神経心理学の第一人者メリディス・チバースが主導した。女性の興奮度を身体的な反応と主観的な欲望の2種類を比較している。
どうやら、女性は自分の大事な性器を守るために、意にそわない男性に強引にセックスされても、体は反応するようにできているらしい(本書より)
もう一つの話題紹介、女性が社会の中で活躍することが、現代社会ではとても重要なことになっているが、そんな課題に関係する実験結果が掲載されている。
「男はより大きな報酬を求めて、プレッシャーのかかる状況でも積極的にリスクを取りに行く、株のトレーダーなどで男性が多いのはこのためだ。だが、アナウンサーやレポーターなどプレッシャーがかかる状況で言語的タスクをこなさなければならない仕事では女性も互角以上に能力を発揮する。」
女性の言語能力の高さを表している、確かに家庭の中でも男の言語能力の貧弱さは、思い当たる節があると思う。
また、「多くのロープレッシャーの仕事ではジェンダーギャップはほとんどない。」
女性に活躍してもらうには、無意味な圧力をかけないようにすることが大事なようだ。セクハラ・パワハラおやじは、現代の社会では、無用であるとのこと
女性を部下に持つ管理職は特に心得るべき大事なことだ。
橘氏のこの本は、人間が一番興味があるが、表立って語ることがはばかれる
男女の性愛の問題、違いを各種の実験結果・論文から引き出して、解説してくれている。とってもおもしろく。また、役にたつ本です。