たびとらの本と旅

おすすめの本と印象に残った旅の写真を紹介

読書

ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ! 武村正春 著 役に立つウイルス、かわいいウイルス、創造主のウイルス

新型コロナウイルスについては、昨日、緊急事態制限が5月末まで延長されることに決まった。 日本じゅう、自粛ムードの中、経済の落ち込み・医療崩壊・感染者への差別・マスク不足など、新型コロナ関連の問題が噴出。テレビもSNSもその話題でいっぱいである。…

科学的人生論 武田邦彦 著

5月1日連休の前半、自分の本棚を整理しながら、 読みかけの本を取り出すと、ついつい面白くなって、最後まで読んでしまったので、ついでに紹介します。 武田邦彦氏は、ホンマでっかで結構、言いたいことを言って、テレビ的にはとっても有名な先生の一人。 東…

インフルエンザなぜ毎年流行するのか  岩田健太郎 著 (2018年11月初版)

今年は、新型コロナウイルスで世界中がパニックに陥る中、日本でも、すでに感染者数9千8百人(死者数 208人 2020年4月18日)を超えている。 世界の感染者数は220万人(死者数15万人 4/17)となっており、このウイルスの感染力の大きさは今までに経験したこと…

ウソつきの構造 法と道徳のあいだ  中島義道 著

世の中のニュースに対して、自分は何を信じたらいいのだろうかと、迷ったときに 哲学者の言葉ほど響くものはないかもしれない。 著者は、「哲学塾カント」を主宰する哲学博士。 氏の著書を読むと、近所にいたらとっても付き合いたくないタイプの個性的な人間…

地学ノススメ 日本列島のいまを知るために 鎌田浩毅 著

2011年に発生した東日本大震災は、頻繁に「想定外」と言う言葉で語られる。 マグニチュード9という巨大地震により2万人近い犠牲者が出ることは、地学者にとっても想定外に大きな被害だった。 一方で、「3.11」から5年が過ぎた2016年4月に発生した、熊本地震…

ケーキの切れない非行少年たち いじめ、性犯罪、殺人、児童虐待、その背後にあるのは認知のゆがみだ。 宮口幸治 著

この本の題名がいい。 まず、手に取って何が書いてあるのか、ぱらぱらと読んでしまう、黄色の新書版。 それだけで、この本のPR効果は成功していると思う。 宮口氏の専門は、児童精神科医。 ある少年との出会いが人生の方向を変えることになる。 その少年は性…

読みたいことを書けばいい 人生が変わるシンプルな文章術 田中泰延

田辺聖子先生は、いつもこう言った 。 「書けば、人生ななんか、ある日、パッと変わるんや」 書くことは、生き方の問題である。 人間はだれしも孤独だ。書くことは孤独と向き合うための「手なぐさみ」かもしれない。孤独の本質とは、ひとりであるということ…

道なき未知  森博嗣 著

この本の題名はおしゃれだ。 そして、この本は 森博嗣さんが若者向けに書いた、応援歌のようでもある。 なにをしても上手くいかない、と悩んでいる人は、ほとんどの場合「道」を探している。 成功するとそこに道ができるけれど、それは、他の人が通っても成…

金のなる人 成毛 眞 著

この本は、金色の新書版。 いかにも、これからお金もうけしたい人が、成毛さんの独創的な叱咤激励に自分を奮い立たせるための、啓蒙書。 この類の本は巷にあふれ、貧乏人のあこがれが、著者となる作家の懐をますます、潤わせるのだと思わせる。 ただ、そんな…

面白いとは何か?面白く生きるには? 森博嗣 著

森博嗣さんは、変わっている。 たぶん、近所にいたら、趣味の電車を一人で、こつこつ作っている、変わったおじさんだろう。 世の中には、こんな変わった人がいて、そうゆう人のほうが、人生を面白く生きているということなのだろう。 一人で楽しめる趣味は「…

直観を磨く 深く考える七つの技法 田坂広志 著

「橋のデザインを考えるな、河の渡り方を考えよ」 橋の設計という解決方法が壁に突き当たるならば、本来の課題が何であったかに回帰し、それが「河を渡ることである」と再認識することで、様々な解決法が頭に生まれるだろう 。 ある一つの解決方法が、壁に突…

座右の書 貞観政要 中国古典に学ぶ世界最高のリーダー論 出口治明 著

「貞観政要(じょうがんせいよう)」は唐の第二皇帝、太宗・李世民(たいそう・りせいみん)の言行録です。 唐朝(西暦618~907年)の基礎は太宗と次世代の武則天によって確立されたと言われています。 その中に出てくる「三鏡(銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡)」…

働き方の教科書 出口 治明 著

出口治明氏は、日本生命を退職後、ライフネット生命を起業した。 会長さんだ。 生命保険に大きな改革を導入し、会社を軌道に乗せた。 人生の真ん中は50歳だと考えています。50歳は無敵です。 すでに昇進レースからはずれた50代にエールを送る。 旅に出た時に…

わが子をAIの奴隷にしないために 竹内 薫 著

あなたは、アカマイ・テクノロジーズ社を知っているだろうか? MITのトム・レイトン教授が中心となり、1998年に設立した大学ベンチャーで、誰も知らないインターネット上最大の会社と呼ばれる。 全世界130カ国以上に分散したサーバーを持ち、インターネット…

なぜ僕は ケニアのバラ を輸入したのか? 小林邦宏 著

「ビジネスで成功する人に学びたい。」 「どうすれば、成功できるのだろうか?」 これから起業しようとする人々が、つねに考えていることかもしれない。 まず、この題名が秀逸だ、そしてケニア⇒バラ? 何が書いてあるのか 思わず手にとってみたくなる。 小林…

リンゴが教えてくれたこと 木村秋則 著

木村さんは歯がない。 リンゴの無肥料・無農薬栽培を始めて14年、やっとリンゴで飯が食えるようになった。 大量の農薬を使う、いままでの栽培方法をやめ、有機農法を学びながら試行錯誤をしながら、無農薬栽培を目指した、だが、その道のりは厳しく、どん底…

梅原猛の仏教の授業 法然・親鸞・一遍  梅原猛 著

梅原猛さんの取り上げるテーマは普通に考えると、とっても難しい難解な読み物になりそうに思うのだが、 読んでみると、面白くて、どんどんと気持ちが入っていって最後まで読み切ってしまう。 この本の導入部分は 法然上人の研究を始めた理由から始まる。 「…

農業新時代ネクストファーマーズの挑戦 川内イオ 著  日本の農業を明るくしたい

日本の農業の現状は危機的だ。 若者は自然相手でもうけの少ない今の農業を継ごうとはしないだろう。 日本の食料自給率は37%、海外からの輸入に頼っているのが現状だ。 本書には、そんな農業に新しい未来を期待させる、農業のイノベーター達が紹介されている…

残酷な進化論 更科 功 著 不完全な人間、人の進化

私達人間は、人が進化の頂点と考えてしまいがちだ。 私達と進化の利害関係は、しばしば一致しない。 恐竜の方が鳥類より優れた肺を持っている。 生物は、その時々の環境に適用するように進化するけれども、絶対的な高みに向かって進歩していくわけではない。…

フリーズする脳 思考が止まる 言葉に詰まる 築山 節 著 脳は使うことで元気になる

管理職になったり、定年を迎えて 退職した人が急に、その能力を発揮できなくなったり、ボケてしまう話を聞いたりする。 その大きな要因は脳の使い方が変化したことにある。 生活が単純化されることによって、今まで雑多なことを含めてバランス良く使われてい…

立て直す力 上田紀行 著 人生の一番大事なもの

この生きにくい社会の中で、すべての科目で満点を取るという発想こそが、生きる意味を遠ざけています。 他者の評価は抜きにして、どの分野で自分は大きな満足を感じるのかを軸にして考えるべきなのです。 スリランカで植林をしている日本人のおじいさんは語…

古典つまみ読み 古文の中の自由人たち は古典初心者にもおもしろい

高校時代に古典を無理やり読んだ記憶が、みんな あるでしょう 。 作者:武田博幸さんは 予備校の講師を65歳までしていた経歴を持つ。 自分が読んで、古文の中に出てくる自由人に、面白さを見つける。 ●「枕草子」では、「好き者」若き貴公子の早朝の様子に …

これからの農業論 農業を株式会社化するという無理 内田樹 養老孟司他

地方で農業をやり始める若者が増えていると聞く。 彼らが農業に求めているものは、何だろう ? 今の企業では得られない、大地に根差しためぐみだと思う 。 トウモロコシは店の缶詰では得られない、甘みが 脳を刺激する。 あたりまえの感動は人生を豊かにする…