新型コロナウイルスについては、昨日、緊急事態制限が5月末まで延長されることに決まった。
日本じゅう、自粛ムードの中、経済の落ち込み・医療崩壊・感染者への差別・マスク不足など、新型コロナ関連の問題が噴出。テレビもSNSもその話題でいっぱいである。
この本の著者 武村正春氏は、名古屋大学大学院卒業の医学博士。現在、東京理科大学理学部教授。専門は、巨大ウイルス学とある。2015年に東アジア初の巨大ウイルス「トーキョーウイルス」を発見した。
1.巨大ウイルス「トーキョーウイルス」とはなんぞや?
2015年に先生が荒川の水から発見した、巨大ウイルスとは、大昔、生物だったのではないか?それも現在の「3ドメイン」のどこにも属さない第4のドメインの生物ではないかと言われている。
2.3ドメイン説
まずは、生物の分類であるが
5界説では、原核生物界、原生生物界、菌界、植物界、動物界に分類される。
その生物を細胞の構造で分類すると、
・原核生物界(細胞内に核をもたない 細菌(バクテリア)、古細菌(アーキア))
遺伝子は細胞壁と細胞膜からなる構造体の中にそのまま入っている。
・真核生物(細胞内に核を持つ、 原生生物界、菌界、植物、動物)
遺伝子は核に中に納られ、ミトコンドリアなどの細胞小器官も持っている。
その後、原核生物がリボゾームRNAの塩基配列を調べることで、細菌と古細菌の2つに分類されることがわかった。
3.4ドメイン説
もしかしたら、巨大ウイルスは、元生物であって、それが進化して、いまの巨大ウイルスになったのではないか、おそらく、真核生物と古細菌(アーキア)が分かれた後ぐらいに、第4の巨大ウイルスが分かれたと考えられている。
4.生物の定義
①細胞膜で仕切られたかたまり(細胞)からできている
②代謝を行う:自分自身を維持するために外界から取り入れたぶしつから
エネルギーをつくる。
③自分と同じものを自力で複製する(自己複製)
5.ウイルスは生物ではない
ウイルスは細胞より小さく、とてもシンプルで、
核酸(遺伝子となるDNAあるいはRNA)がタンパク質でできたカプシドという殻で包まれた単純な構造。自力で増えることはなく、外界から何かを取り入れたり、排出することもない。生物とはみなされない。
6.風邪に抗生物質がきかないわけ
抗生物質は、細菌の細胞壁の合成を阻害する働きをして、細胞を破壊します。
細胞が無く、細胞壁ももたないウイルスにはまったく意味がない。
7.巨大ウイルスは何度も真核生物に感染を繰り返してきた。
生物と巨大ウイルスは、非常に近い遺伝子をいくつも持っています。
ヒトゲノムの全体の半分以上がウイルスに由来するのではないかと考えられる塩基配列であることが判明した。
8.ウイルスの本当の姿とはなんだろう?
宿主の細胞に感染して増殖しつつあるウイルス工場の状態こそ「ウイルスの本当の姿」。ウイルスの本当の姿とは「ウイルスに感染した細胞」なのだ。
◎現在の、新型コロナウイルスの感染拡大を生物の進化の面から眺めてみると、
私達人間を含めた、地球上に存在している生物のすべては、ウイルスにとっては都合の良い生き物で、ウイルスが効率よく増えるための土台とも言える。
この本の最後に、「ウイルスは生物の創造主」という言葉がありますが、
まさに、そのウイルスが、人間の生活をも変えようとしている現実を見ると。
地球上の生物の進化の歴史というものを、まったく違う視点でとらえなおすことが、
必要であり、その現実を目にしているのかもしれない。
とっても、面白い本。
:西太平洋のミクロネシア地域に位置する500以上の群島からなる国。
その美しい海と白い砂浜には、頭の中が空っぽになるぐらい感激する。
とにかく、この海のブルーと水の透明感、白い砂浜は感動。
海にもぐると、その透明感とサンゴ礁の間を泳ぐ魚の群れに見入ってしまう。
夢中に魚を追いかけて、写真を撮っていた。